TPがディスコン
コダックのモノクロフィルム・テクニカルパン(TP)が、近々生産中止になるらしい。
このフィルム、本来は顕微鏡写真とか複写用のかなり特殊なフィルム。一般撮影用ではEI25(かなり低感度)とし、専用の現像液(テクニドールリキッドデベロッパー)を使用するという。
そして、“TP”といえばモノクロフィルムによる直焦点撮影の定番中の定番。ただし、天体写真で“TP”といえば、大抵は“水素増感TP”のことを差す。このフィルムに特殊な水素増感処理を施すと、天体写真における大敵・低照度相反則不軌特性が低減され、結果、極微粒子+高感度を享受できるフィルムだった。
僕もモノクロフィルムは使うけど、どちらかというと粒子が見えるような(?)ざらついたモノクロ写真が好きなので(^^;、このフィルムは一度も使ったことがなかった。
しかし、愛用者が多数いる個性的なフィルムだったので、天体写真表現にとってけっこうな痛手じゃないかなぁ。
僕が天文を始めた20年ほど前は、ちょうど“水素増感TP”が登場した時期と重なる。当時の天文誌を見ると前時代の103aEフィルムによる写真もまだまだ残っていながらも、水素増感TPによる作品もすでにたくさん見ることができる。水素増感TPに関する特集も大きく組まれており、今思えば世代交代の時期だったのかな。
水素増感TPも、やがてデジタルにとって代わられる表現かもしれないけど、まだ少し早すぎる気がするし、なにより絶滅は天体写真表現にとっては痛手だと思う。
もっともこのフィルムは天体写真用のフィルムではないわけで、本来の用途での需要がなくなったということで、後継フィルムの予定もおそらくないだろう。
一方で、トライXは生誕50年だとか…!
僕は20年前は天体写真にはあまり興味がなかったけど、それでもまねごとをしてみたりはした。
しかし、小遣いもままならなかった当時高感度のカラーフィルムは高かった(~-~;。「モノクロフィルム撮影→現像のみ」(^^;に使ったフィルムがトライXだったのだ。
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