改正建築基準法のこと
昨年、例の耐震偽装問題を受け、その再発を防止する意味で建築基準法が改正されました。
今年6月20日、その改正建築基準法が施行されたんですが、業界は今混乱しています。これについては二言三言、言いたいことがあるんですがそれは別の機会に…。
僕は直接迷惑を被ってはいなかったんですが、とんだところでとばっちりを。
昨年、例の耐震偽装問題を受け、その再発を防止する意味で建築基準法が改正されました。
今年6月20日、その改正建築基準法が施行されたんですが、業界は今混乱しています。これについては二言三言、言いたいことがあるんですがそれは別の機会に…。
僕は直接迷惑を被ってはいなかったんですが、とんだところでとばっちりを。
論点ズレまくりの建築士法等の改正案、閣議決定。
・耐震偽装 再発防止へ改正法案閣議決定 専門資格制を創設
・建築士法等の一部を改正する法律案について(国土交通省)
だから、建築士の能力不足じゃないってのに。
これではなんにも変わらない。
建築士事務所に属する建築士等は、一定期間ごとに、国土交通大臣の登録を受けた者が行う講習を受けなければならないこととする。
国土交通大臣の登録を受けた者…?
なんだ、また天下り先が増えるんじゃん。
なんかもう、話がまるですりかわってる。
必要なのは、モラルのない建築士をきちんとチェックするシステムであるはずなのに、いつの間にか建築士の能力が足りないことになっている。
現行の建築基準法や建築士法がきちんと遵守されていれば、一連の不祥事は起こらなかったはずです。
新たな資格もいいけど、『生活ができなくなるため、やむを得ず鉄筋量を減らした』と構造計算書を偽装する「特定構造建築士」がまた出現するかもしれない。対策になってないよ。
この読売新聞の記事は「今さら受けたくない」を強調した書き方。まるで、一級建築士がヘタレのように書かれていて不愉快な記事です。
「耐震強度偽装事件の再発防止のため」…
「姉歯秀次被告(49)のような建築士が再び現れないよう」…
…で、その対策がどうして“再試験”になるのか甚だ疑問です。
国交省の人たちは、一級建築士のレベルが低いのが原因だと本当に思っているんだろうか。
むしろ知恵があるやつほど偽装に長けてそうなもんだけど。
この人たちは、チェック機構の甘さ(能力の無さ)という根本的な問題をいつまで棚上げしておくのでしょう。
自分らの責任逃れのために一級建築士たちに連帯責任を取らせ、この問題に終止符を打ちたいという思惑が見え見えです。作為的な世間へのアピール(パフォーマンス)としか思えません。
過去ログ
■ 建築士免許の更新制は見送り
■ 的外れも甚だしい国交省見直し案
■ 国と国交省の見識を疑います
当然の判断でしょう。
そんなことよりも、チェック機構の見直しと能無し建築主事や検査員の教育制度の確立の方が必要でしょう。
国が作った確認申請/検査制度が穴だらけだったことが露呈したわけだし。
自分らの過失はスルーかよ。>国交省
過去ログ
■ 的外れも甚だしい国交省見直し案
■ 国と国交省の見識を疑います
過去記事が見れなくなったので、コピペしておこう。
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1級建築士に新たな試験実施 国交省見直し案
耐震データ偽造事件を受け、国土交通省は26日、現在の1級建築士に新たな試験を受けさせて合格した人だけを「新1級建築士」と認定するなど大幅な制度見直し案を明らかにした。高専、短大卒は受験資格がなくなり、大卒でも実務修習(インターン)を経なければ免許を取得できない。同省は、見直し案に沿い建築士法を改正する方針。
この案は、事件の再発防止などを検討している国交相の諮問機関の部会で示された。1級建築士の資格要件を厳しくするため、約30万人いるとされる1級建築士は構造設計などの知識を問う試験に合格すれば、「新1級建築士」として認定する。合格しなければ、免許があっても、1級建築士として仕事はできない。
新卒の受験資格も変更。これまで認められていた高専卒・短大卒の1級建築士受験資格を廃止し、4年制大学での履修を必要とする。資格試験に合格してもインターンを経験しなければ、免許は与えない。さらに、一定期間ごとの講習を義務付ける方向だ。
また、消費者が建築士を選べるように、処分歴などを記した建築士名簿を開示し、仕事をする際は顔写真入りの免許証を提示する。構造や設備などの専門分野では、専門資格者などの制度を創設。1級建築士が業務の丸投げをすることを禁止する一方で、自らの責任で資格者に必要な業務を発注できるとしている。
国交省は「多くの建築士が偽造された構造計算書を見逃しており、再発防止には抜本的な対策が必要」と話している。
【毎日新聞・長谷川豊】
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突っ込みどころ満載なんだけど…。
一級建築士は30万人もおりません。単に最新の登録番号が30万番台にあるだけ。1950年に建築士法が制定されてから30万人の一級建築士が登録されてきたわけだけど、この50数年でお亡くなりになった人は少なくないでしょう。でも、亡くなった人やドロップアウトした人数を国は把握していないんです。把握するシステムがないんです。これ自体問題。
だから更新性にしてその実態を把握していくことは、とてもよいことだと思う。
これまで、一級建築士はゼネラリトとしての立場を求められ、実際試験では広範な範囲を学習してきました。
一方、現代建築技術の飛躍は、これまでのゼネラリストとしての建築士では手に負えないほど高度に専門化されています。
今の大規模建築にはゼネラリストは求められていません。各分野の高度な専門的スキルを持ったスペシャリストたちがコラボレートするのがまっとうな建築の作り方だと思います。
「1級建築士は構造設計などの知識を問う試験に合格すれば、「新1級建築士」として認定する。」
まったく的外れ。すべての一級建築士が、構造計算ができなければいけない必要はない。今の試験で習得する技術で十分。
なぜ国交省が、現行の一級建築士を解体・再構築しようとしているのか、理解に苦しみます。
必要なのは構造の専門家。一級建築士を構造専攻建築士
雨降って地固まる。専攻建築士制度を具体化していく願ってもないチャンスかもしれない。
メモがわりに貼っておこう。
■ 一級建築士に新たな試験実施 国交省見直し案 - Yahoo!掲示板
■ 耐震偽装、見逃した自治体の処分者ゼロ - asahi.com
あの程度の偽装を見抜けない能無し建築主事・検査員とへなちょこ検査制度。
新試験の学科科目は、現行の「計画」「法規」「構造」「施工」の4科目に、「道徳」がプラスされるのかな。笑
行政や確認検査機関の人間も当然、新一級建築士の資格は必須ですよね?
建築学会やJIAのコメントはまだかな。
冗談じゃない。
今の試験でも十分な難関だ。
一連の問題は、一部の心ない建築士・デベ・建設業者・指定確認検査機関のモラルの問題だろ。
試験のやり直しって、
忙しい建築士ほど試験勉強ができず、暇な建築士(実務経験のない建築士)ほど試験勉強ができてしまうじゃないか。
一人で事務所やってる零細は、試験勉強のため仕事を休むというのか?試験に落ちたら廃業か?
世界的に活躍されている超多忙な建築家先生方はみんな試験に落ちますよ。きっと。
それにしても、建築士の一次(学科)試験を控えたこんな時期に公表することも無かろう。受験者たちがかわいそうだ。
正直者はバカを見るのですか?
こんなことを本気で検討しているとは、国交省には心底あきれます。
国交省ってここまでアホなんですか?
もうちょっと頭使え。
例のマンションの足場がほとんど取れました。
現場的には、今がきっと一番厳しいとき。でも、土曜の朝一から延々とコンクリ斫りまくるのは止めてほしい。
その斫り、補修やフィッティングのためではなく、やり直しのために壁をぶっ壊しているんだろう?(^^;おれは騙されないぞ。今は一近隣住人であります。
やはり敷地が悪い。うなぎの寝床のような敷地のマンションはオススメできない。
敷地が悪いと建物本体も無理せざるを得なくなる。このマンションもかなり強引な形態をしている。デザイナーズマンションってわけでもなく、なんていうか…悲壮感漂ってますよ。
ともあれ、古い木造住宅を除けば、大地震時に真っ先に倒壊しそうな建物なのです(感覚的に)。
買わなくて良かったー(笑)
うちの斜向かいに分譲マンションが建設中だ。最近、一部足場取れて建物の外観が表れてきた。
チラシやショールームの看板で概要は知っていたんだけど…、これがなんか、もう見てらんないってくらいブサイク。
強引な形態。ラフディテール。ついでにう○こ色のタイルも不愉快。
そもそも土地が不整形なのが悪いんだけど、もうちょっとなんとかしてほしかった。
毎日必ず目に入るのでとても不快。
建物は事業者(建築主)のモノ。でも、景観はみんなのモノ。
この写真は本文とは無関係であり、当該マンションの写真ではありません。